16.6. 進化との関連 : 相利共生
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菌類は植物よりも動物の方に近縁
しかし、太古の地球で植物が上陸に成功したのは多様な菌類と共生した結果
進化は個々の生物種の起源や適応だけを指すものではない
生物種の間の相互関係も進化の結果
共生とは、物理的に接触している生物種の間の生態学的な相互関係を表す用語
双方が利益を得る共生の例も数多く存在する
真核生物の細胞は、原核生物同士の共生から進化したものと考えられている
ある種の植物の根の中で生育する細菌が宿主に窒素化合物を供給する代わりに炭水化物を得ている
ヒトにも皮膚を健康に保つ役割を果たす細菌や、ある種のビタミンを生産する腸内細菌が共生している
本章で特に協調した共生関係は、菌根とよばれる菌類と植物の根との共生であり、生物が上陸するのを可能にした
地衣類 lichens
菌類と藻類の共生体であり、2種の生物が強固に融合して緊密な協力関係の下で新たな生命形態を創造してきた特筆すべき例
コケか植物の1種に間違いやすい地衣類は、岩、朽ちかけた材木、木の幹、屋根、墓石などの表面に生育する
実際は、地衣類はコケでも植物の一種でもなく、単一の生物種でもない
地衣類は数百万この小さな藻類の細胞が菌類の菌糸の網に包まれたもの
光合成を行う藻類は菌類に栄養を与え、その代わりに菌類の菌糸体は藻類の水分や無機塩類の吸収と保持を助けて快適な生育環境を提供している
この相利共生的な融合体は徹底したものであり、実際に地衣類の共生体は単一の生物種として学名を与えられている
原生生物と植物に続いて、菌類は本書で探求してきた第三の真核生物の生物群
これらの生物群が原生生物の祖先から進化したと考える有力な証拠が見つかっている
最も多様化した第四の生物群である動物も原生生物の祖先から進化した